温泉が好きで、もう何十年も群馬の湯をめぐってきた私ですが、「入浴ってこんなに奥深かったんだ!」と改めて気づかされる機会がありました。
テレビでもおなじみの入浴研究の第一人者・早坂信哉先生との合同セミナーで学んだ内容が、もう目からウロコの連続で。
「なんとなく気持ちいいからお風呂に入る」という感覚が、ガラッと変わりましたよ。
今日はそのエッセンスを、温泉好きの皆さんにもシェアしたいと思います。
知っているようで知らない、でも知っておくと温泉がもっと楽しくなる話ばかりです!
入浴前に確認!意外と知らない「安全に入るための基準」
温泉って、基本的には体にいいもの。でも、条件によっては逆効果になることもあるんです。
まず血圧の話。
血圧が上160以上・下100以上の状態で入浴すると、入浴事故のリスクがなんと3倍になるというデータがあるそうです。
高血圧の方は特に要注意ですね。
そして体温。
37.5℃以上の発熱がある状態でお風呂に入ると、具合が悪くなる確率が14〜15倍にもなるというから驚きです。
「お風呂で汗をかいて治す」というのは、実は危険な場合もあるんですね。
温泉旅行中に体調が優れないな、と感じたら、無理して入浴しないのが正解。
せっかくの旅を台無しにしないためにも、まずは自分の体の状態を確認してから湯に浸かるようにしましょう。
「41℃」は魔法の温度!自律神経との深い関係
お風呂の温度って、なんとなく「熱めが好き」「ぬるめが好き」で決めてませんか?
実はこれ、体への効果がまったく変わってくるんです。
入浴と自律神経の関係がこちら。
- 42℃以上:交感神経が優位になる → 体が「覚醒モード」に
- 40℃以下:副交感神経が優位になる → 体が「リラックスモード」に
- 41℃:この切り替えが起こる「境界線の温度」
つまり、夜ぐっすり眠りたいときや、疲れを癒したいときは40℃以下のぬるめのお湯がベスト。
逆に朝シャキッと目覚めたいときは42℃以上の熱めのお湯が効果的というわけです。
温泉旅館で「熱い湯」と「ぬるい湯」を使い分けているのも、こういう理由があるんですね。
夜の温泉はぬるめでゆっくり、朝は熱めでシャキッと。これだけで入浴の質がぐっと上がりますよ。
「40℃・10分」が黄金ルール!正しい入浴法とは
おすすめの入浴法はシンプルで、でもすごく効果的なんです。
「40℃のお風呂に10分間、全身浴」これだけで深部体温が0.5℃上がるそうです。
深部体温が上がると、その後体が冷めていく過程で自然に眠気が来て、質の高い睡眠につながるんだとか。
「半身浴のほうが体にいいんじゃないの?」と思っている方も多いかもしれませんが、実は半身浴は体が温まるまでに全身浴の2倍の時間がかかります。
効率よく体を温めたいなら、全身浴のほうが断然おすすめです。
もちろん、温泉旅館でゆっくり半身浴を楽しむのも素敵なひととき。
効率よりも「旅の余韻を楽しむ」という意味では、半身浴もアリですよね。
「800ml」の衝撃!入浴中の水分補給を侮るなかれ
これ、聞いたときに本当にびっくりしました。41℃のお風呂に15分浸かると、約800mlもの水分が失われるというんです。
800mlって、ペットボトル飲料ほぼ1本分ですよ!温泉旅館で何度も浸かっていたら、あっという間に脱水状態になりかねません。
温泉旅館では「入浴前後に水分補給を」とよく書いてありますよね。
あれはお世辞じゃなくて、本当に大切なことだったんです。
私も以前は「まあ気持ちだけ飲んでおけばいいか」くらいに思っていましたが、これを知ってからはしっかり飲むようにしています。
特に夏の温泉や、露天風呂で長湯するときは要注意。水、スポーツドリンク、温泉水など、こまめに補給することを習慣にしましょう。
ヒートショック予防にも!脱衣所の温度管理
冬の温泉旅行で怖いのが、ヒートショック。急激な温度変化が体に大きなダメージを与えることは広く知られていますが、その具体的な目安もあります。
リビング(過ごす部屋)と脱衣所の温度差は5℃以内に抑えるのが理想。
自宅なら脱衣所を暖めておくことで対策できますが、温泉旅館でも脱衣所が冷えているところは少し注意が必要です。
特に年配の方や血圧が気になる方は、脱衣所でさっとストレッチをしてから入浴するだけでも、体への負担がずいぶん違うそうです。
温泉旅行を長く楽しむためにも、こういう小さな習慣が大切ですね。
「幸せホルモン」が出る!温冷交代浴の魅力
温泉好きなら一度は試してみてほしいのが「温冷交代浴」。
熱い湯と冷たい湯(または水風呂)を交互に入る入浴法です。
これをやると、「オキシトシン」という幸せホルモンが分泌されるのです。
オキシトシンは、愛情ホルモンや絆ホルモンとも呼ばれる物質。これが出ると、なんとも言えない幸福感や安らぎを感じられます。
サウナ好きの間で「ととのう」という言葉が流行っていますが、あの感覚もこれに近いものがあるかもしれませんね。
温泉旅館で水風呂や冷泉が併設されているところでは、ぜひ試してみてください。
お風呂をオンオフの切り替えに使う!現代人への処方箋
これは温泉の話というより、日常のお風呂の話ですが、現代人にとってとても大切なポイントだと思ったことを紹介します。
リモートワークが普及した今、仕事と休息の境界線が曖昧になっている方も多いはず。
そんなときに有効なのが、お風呂をオンとオフの切り替えスイッチとして使うこと。
「入浴後はパソコンを開かない」というルールを決めるだけで、仕事モードから休息モードへの切り替えがスムーズになりますよ。
温泉旅行中は自然とそれができていますよね。日常にも「温泉旅行の感覚」を取り入れてみると、生活の質がぐっと上がりますよ。
温泉知識の宝庫・箱根「芦ノ湖温泉」にも注目!
ここで神奈川県箱根温泉郷の「芦ノ湖温泉」を紹介します。
「芦ノ湖温泉」は標高700m前後という環境が、いわゆる「転地効果」に最適な条件(森林が多く、標高300〜800mが良いとされる)を備えているのです。
転地効果とは、日常とは異なる環境に身を置くことで心身がリセットされる効果のこと。
これだけでも、温泉の効能とは別に「癒やされる理由」があるんですね。
「小田急 山のホテル」の温泉はアルカリ性単純温泉で、pH8.9の美人の湯。
溶存物質が非常に少なく(240mg/kg)、肌に優しいお湯が楽しめます。
富士山と庭園の絶景、特にツツジの季節は格別です。
小田原駅からタクシーで行くと乗り継ぎのストレスなくアクセスできます(3〜4名で乗れば1人2,000円台に!)。
箱根エリアの素敵な宿を紹介します。
| 宿名 | 住所 | 予約 |
|---|---|---|
| 箱根湯本温泉 箱根パークス吉野 | 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋139-5 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 箱根湯本温泉 伊東園ホテル 箱根湯本 | 神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋95-1 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| ダイヤモンド箱根ソサエティ | 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根159-146 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
まとめ:「なんとなく」から「知って入る」温泉へ
今回の入浴知識を振り返ってみましょう。
- 血圧・体温の状態を確認してから入浴する
- 41℃が自律神経の切り替えポイント。目的に合わせて温度を選ぶ
- 「40℃・10分・全身浴」が深部体温を上げる黄金ルール
- 15分の入浴で約800mlの水分が失われる。こまめな補給を忘れずに
- 脱衣所との温度差は5℃以内に。ヒートショック予防を意識する
- 温冷交代浴で幸せホルモン「オキシトシン」を分泌させる
- お風呂をオンオフの切り替えスイッチとして活用する
こうして並べてみると、温泉ってただ気持ちいいだけじゃなく、本当に奥深い世界なんだなあと改めて感じます。
温泉通として長年温泉をめぐってきた私でも、まだまだ学ぶことがたくさんあります。
知識を持って温泉に入ると、同じお湯でも感じ方がまったく違ってきます。
「今日は副交感神経を刺激するために40℃でゆっくり入ろう」なんて考えながら浸かる温泉は、また格別の一杯です。
今日ご紹介した知識をぜひ活かしてみてください。
次の温泉旅が、もっと豊かで体に嬉しいものになりますように。