温泉に入るとき、脱衣所に貼ってある「温泉分析書」をじっくり読んだことはありますか?
あの紙、実はものすごく深い情報が詰まっているんです。でも、見慣れない単位や専門用語が並んでいて、「なんだかよくわからないな…」と素通りしてしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、温泉通の私が「ミリバル」というちょっとマニアックなキーワードを中心に、温泉分析書の読み方をわかりやすくご紹介します。
これを知ると、温泉めぐりがもう一段階楽しくなりますよ!
温泉分析書に登場する「ミリバル」とは?
温泉分析書をじっくり見ると、各成分の数値の横に「mg/kg」や「mval/kg」という単位が書かれていることに気づきます。この「mval(ミリバル)」が今回のキーポイントです。
このミリバルは「体に効きやすさの偏差値」と表現されることもあります。
ミリバルの数値が大きい成分ほど、体に影響を与えるだけの含有量がある、ということなんです。mg(ミリグラム)という重さの単位だけでは、成分ごとに分子の重さが違うので単純比較ができません。
でもミリバルに換算すると、成分の「体への効きやすさ」を横並びで比べられるようになるんです。
温泉分析書を読むとき、mg表示だけ見て「この成分が多い!」と判断するより、ミリバルの数値を見たほうが、その温泉の本質的な特徴をつかみやすくなります。
陽イオンと陰イオンのミリバル合計は一致する!
ここからが少しマニアックなお話。でも、知っておくと温泉分析書がぐっと面白くなります。
温泉分析書には「陽イオン」と「陰イオン」という2つのグループで成分が分類されています。ナトリウムやカルシウムが陽イオン、塩化物イオンや硫酸イオンが陰イオンの代表格です。
そして、化学の法則上、陽イオンと陰イオンのミリバル合計は必ず一致するというルールがあります。
この陽イオンと陰イオンのバランスこそが、「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」といった泉質名の根拠になっているんです。
ミリバルで一番大きな割合を占める陰イオンが何かによって、泉質名が決まる仕組みです。
つまり、温泉分析書を読むときに陽イオンと陰イオンそれぞれのミリバル合計を足し算して、両者がほぼ一致していれば「この分析書はちゃんとしてる!」と判断できるわけです。
合計値がズレていたらどう判断する?
「じゃあ、合計値が一致しなかったらどうなるの?」という疑問が出てきますよね。
実は、完全にピッタリ一致しないケースも珍しくありません。
成分表に「-」や「○mg未満」と書かれている微量成分が多い場合、それらは計算上「0mg」として扱われるため、合計値にわずかなズレが生じることがあります。
ポイントは「大きな開きがあるかどうか」です。微量成分の「-」表記が多くて、ちょっとズレている程度なら問題なし。
でも、陽イオンと陰イオンのミリバル合計が大きく食い違っている場合は、分析されていない成分が隠れている可能性を示唆しています。
温泉分析書を手に取ったとき、ぜひ一度足し算してみてください。「あ、ほぼ一致してる!」と確認できたとき、なんだかちょっと嬉しくなりますよ(笑)。
泉質マニアが注目!長野県「角間温泉」
温泉分析書の話をしていたら、ぜひ紹介したくなった温泉地があります。長野県の「角間(かくま)温泉」です。
湯田中・渋温泉郷に位置し、湯田中温泉よりも少し高台にある、こぢんまりとした情緒豊かな温泉地。
歴史は室町時代にさかのぼり、蓮如上人による開湯伝説が残るほか、林芙美子や横山大観といった文化人も訪れた由緒ある場所です。
正式な泉質名は「ナトリウムー塩化物・硫酸塩温泉」。これ、温泉通の目線から見るとかなり魅力的な泉質なんです。
塩化物泉には保温・保湿の効果があり、硫酸塩泉には「傷の湯」と呼ばれる皮膚への働きかけがあります。
この2つを同時に持つということは、「保湿・保温」と「傷の湯」のダブル温泉という、お肌にとってとても嬉しい温泉ということ。
さらに、加水・加温なしの源泉かけ流し100%。非常に熱い湯が特徴で、それだけ鮮度が高い証拠でもあります。
熱めのお湯が苦手な方は少し注意が必要ですが、本物の温泉の力をしっかり感じたい方にはたまらない場所です。
3つの共同浴場がありますが、現在は基本的に宿泊者限定となっているので、ゆっくり泊まって楽しむのがおすすめです。
角間温泉の宿をチェックしてみよう
角間温泉に泊まってみたい!という方のために、楽天トラベルで予約できる宿をまとめました。
| 宿名 | 住所 | 予約 |
|---|---|---|
| 角間温泉 ようだや旅館 | 長野県下高井郡山ノ内町佐野2348 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 角間温泉 高島屋旅館<長野県> | 長野県下高井郡山ノ内町佐野2349 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
まとめ:分析書を読むと温泉がもっと楽しくなる!
今回は「ミリバル」を中心に、温泉分析書のちょっとマニアックな読み方をご紹介しました。
- ミリバルは「体への効きやすさ」を比べるための単位
- 陽イオンと陰イオンのミリバル合計は一致するのが基本
- 大きなズレがなければ、その分析書は信頼できる
脱衣所でちょっと足を止めて、分析書をじっくり眺めてみる。それだけで温泉の楽しみ方がぐっと広がります。
難しく考えなくて大丈夫。「ミリバルが大きい成分が、この温泉の主役だ!」くらいの感覚でも十分です。
角間温泉のような、泉質がしっかりした小さな温泉地を訪れたとき、分析書を読みながら「なるほど、だからこのお湯はこんな感じなんだ」と感じられたら、それはもう立派な温泉通です。
ぜひ次の温泉旅で、分析書チェックを楽しんでみてくださいね。