温泉が好きで何十年も通い続けているのに、「温泉のことをちゃんと知っているか?」と問われると、意外と答えに詰まってしまうものです。
先日、温泉ソムリエの認定セミナー&ステップアップセミナーの内容に触れる機会があったのですが、これが面白い!
「なんとなく気持ちいい」で終わっていた温泉体験が、一気に奥深いものになる感覚でした。
今回は、そのセミナーで学べるエッセンスを温泉通の視点でご紹介します。
温泉好きの方なら「あるある!」と頷けること、そして「そうだったのか!」と目からウロコが落ちることが、きっとあるはずです。
温泉の「温度」、実はこんなに奥深い
まず驚いたのが、温泉の温度に関する話。日本人が最も心地よいと感じる温度は42度と言われています。熱めのお湯にザブンと入る、あの感覚ですね。
ところが近年、欧米からの入浴客や日本の若い世代を中心に、30度台〜40度程度の「ぬる湯」を好む傾向が出てきているそうです。
確かに、草津温泉の「時間湯」のような熱めのお湯は独特の爽快感がありますが、長湯するには少しきつい。
ぬる湯でじっくり浸かるスタイルも、体への負担が少なくてとても合理的です。
健康面から考えると、40度程度の入浴が最もリラックス効果が高く安全とされています。
「熱いほど効く」というわけではないんですね。これは温泉通として、ちゃんと覚えておきたいポイントです。
温泉分析書の「ミリバル(mval)」って何だろう?
温泉施設に行くと、浴室の入口や脱衣所に「温泉分析書」が貼ってあるのを見かけますよね。
あの難しそうな数字の羅列、実はちゃんと読み解けると温泉がもっと楽しくなります。
その中に出てくる「ミリバル(mval)」という単位。
温泉ソムリエの家元はこれを「体に効きやすさの偏差値」と表現しているそうです。
この数値が大きい成分ほど、体に影響を与えるだけの十分な量が含まれているということ。なるほど、わかりやすい!
さらに面白いのが、入浴剤との比較です。一般的な入浴剤を溶かしたお風呂の成分量は約150mg/リットル程度。これを基準にすると…
| 温泉地 | 成分の濃さ(目安) | 入浴剤換算 |
|---|---|---|
| 赤倉温泉(新潟県) | 約1,200mg/kg | 約8個分 |
| 有馬温泉(兵庫県) | 非常に高濃度 | 約250個分 |
有馬温泉の「約250個分」という数字には思わず笑ってしまいました。それほど濃厚な温泉に浸かっているんですね。体がポカポカするわけです。
一方で、成分合計が入浴剤より薄い温泉であっても、pH値が高いアルカリ性の場合は「スーパークレンジングの湯」として高い洗浄効果が期待できます。
お肌がつるつるになる温泉として有名な「美人の湯」系がまさにこれ。成分が薄いからといって効果がないわけではないんですね。
温泉は「治療」ではなく「予防」という考え方
温泉の効能について、大切なことを一つ。
温泉は東洋医学的な側面を持ち、病気にならない体質づくりのための「予防」として活用するものという考え方があります。
ネット上には「温泉でがんが治る」といった過激な情報も見かけますが、温泉の禁忌症(入浴を避けるべき症状)には「悪性腫瘍」が含まれています。
病気そのものの治療はあくまで病院で。温泉はその前段階の、健康維持や体質改善のためのものと理解しておくことが大切です。
長年温泉に通ってきた経験から言っても、温泉に入り続けることで体が軽くなったり、疲れにくくなったりする実感はあります。
それが「予防医学」としての温泉の本質なのかもしれません。
知っておきたい「効果的な入浴法」あれこれ
セミナーの中で特に印象的だったのが、入浴法に関するさまざまな知恵です。
笑顔で入浴するだけで免疫力アップ!?
「笑顔入浴法」というものがあります。作り笑いでも構わないので、笑顔で入浴することで気分が良くなり、免疫力が上がると考えられているそうです。
温泉に浸かりながらニコニコしているなんて、なんだか楽しそうですよね。意識してやってみると、確かに気持ちが明るくなる気がします。
昔ながらの「湯治」の知恵:ゴロゴロ寝
病後の体力回復には、温泉に入った後に罪悪感なくゴロゴロと寝ることが推奨されています。昔ながらの「湯治」の知恵ですね。
「何もしないで寝ているのは怠け者みたい…」と感じてしまいがちですが、それこそが体の回復を促す正しい過ごし方。温泉宿でのんびりする罪悪感が、これで吹き飛びます(笑)。
快眠のための入浴タイミング
これは個人的に一番「使える!」と思った知識です。
- 夕食の90分後に入浴する
- 入浴のさらに90分後に就寝する
入浴で一時的に上がった深部体温が急降下するタイミングで、深い眠りが得られやすくなるそうです。
温泉宿での夕食後の過ごし方を、この「90分ルール」に合わせてみると、翌朝の目覚めが全然違うかもしれません。
入浴後の水分補給は「麦茶」がベスト
夜の入浴後の水分補給には、カフェインを含まず血行促進効果がある「麦茶」が推奨されています。
緑茶やコーヒーはカフェインが含まれているため、せっかくの快眠効果が台無しになってしまうことも。
温泉宿の売店で麦茶を探してみるのも良さそうです。
「源泉かけ流し」のこだわりを支える「サイフォン式排湯」
温泉の「湯づかい」にこだわる宿の話として、「サイフォン式排湯」という仕組みが紹介されていました。
浴槽の底には、時間が経って冷えた温泉が溜まりやすいもの。
サイフォン式排湯はその冷えた温泉を底から排出することで、加水・加温・循環・塩素消毒をしない「100%源泉かけ流し」の鮮度を保つ工夫のひとつです。
こういった「見えないところのこだわり」を知ると、宿選びの目線も変わってきますよね。温泉分析書と並んで、宿の「湯づかい」についての説明書きも、しっかり読んでみようと思いました。
温泉の知識を活かして、伊香保温泉へ
こういった温泉の知識を頭に入れた上で訪れると、いつもの温泉がまた違って感じられます。群馬県の名湯・伊香保温泉も、ぜひ「温泉通」の目線で楽しんでみてください。
伊香保温泉には個性豊かな宿が揃っています。石段街の風情を楽しみながら、今回学んだ入浴法を実践してみるのも良いですね。
| 宿名 | 住所 | 予約 |
|---|---|---|
| 伊香保温泉 ホテル天坊 | 群馬県渋川市伊香保町伊香保396-20 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 伊香保温泉 石坂旅館 | 群馬県渋川市伊香保町伊香保67 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 伊香保温泉 心に咲く花 古久家(こくや) | 群馬県渋川市伊香保町伊香保52 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
伊香保温泉・森秋旅館の宿泊記はこちら >> 伊香保温泉・森秋旅館宿泊記
皆さん、こんにちは!湯けむり散歩人です。 今回は、伊香保温泉の象徴ともいえる石段街から徒歩1分という、誰もが心惹かれる絶好のロケーションに建つ老舗宿、「森秋旅館」で、忘れられないひとときを過ごしてきました。 石段街のすぐそばで、[…]
まとめ:知識があると、温泉はもっと楽しくなる
温泉ソムリエのセミナーで学べる内容をざっとご紹介しましたが、いかがでしたか?
「なんとなく気持ちいい」だけでも十分素晴らしい温泉体験ですが、泉質の読み方や入浴のタイミング、体への効果を知ることで、同じ温泉がまったく違う体験になります。
温泉通として長年温泉に通い続けてきた私も、こういった体系的な知識に触れるたびに新しい発見があります。
温泉に興味がある方は、ぜひ一度こうした学びの機会を持ってみてください。次の温泉旅が、きっとぐっと豊かになるはずです。
