群馬県の奥座敷、四万温泉。草津や伊香保のような賑やかさとは一線を画す、時間がゆっくりと流れる静かな温泉街です。
初めて四万温泉を訪れたとき、正直「こんなに静かでいいのかな」と思いました。
でも、川沿いの石畳を歩きはじめた瞬間、あの感覚は一変しました。木造の宿が並ぶ風景、川のせせらぎ、漂う湯けむり。気づいたら「何もしない」を全力で楽しんでいる自分がいました。
今回は、そんな四万温泉の魅力を、散策ルートから温泉の効能、おすすめの宿まで、たっぷりとご紹介します。ひとり旅にも、熟年夫婦の旅にも、ぴったりの場所ですよ。
「四万の病を癒やす」名湯の里へ
四万温泉の名前の由来は、「四万の病を癒やす」という言い伝えから来ているといわれています。
歴史は古く、開湯から1200年以上とも。国民保養温泉地にも指定されており、その泉質の良さは国のお墨付きです。
東京から車で約2時間半、関越道・渋川伊香保ICから国道353号を経由してアクセスできます。
都会の喧騒から離れて、四万川沿いの細い道を進んでいくと、だんだんと山が深くなり、「あ、非日常に入ってきたな」という感覚になるのが好きです。
ジブリの世界へ迷い込む。積善館の赤い橋から始まる散策
四万温泉散策のスタートは、なんといっても「積善館」の赤い橋から。
積善館は、日本最古の木造湯宿建築として知られる宿。その入口に架かる朱塗りの橋は、まるで映画のワンシーンのような美しさで、「千と千尋の神隠し」のモデルのひとつとも言われています。実際に立ってみると、川の上に橋が架かり、両側に古い建物が続いて、本当にあの世界に迷い込んだような不思議な感覚になりました。
宿泊客でなくても、外から眺めるだけで十分に感動できます。特に夕暮れ時、橋に灯りが灯り始める頃の雰囲気は格別。カメラを向けずにはいられません。
積善館の宿泊記はこちらです >> 積善館宿泊体験記
「千と千尋の神隠し」の世界に飛び込みたい!って、きっと誰もが一度は夢見ますよね。 群馬県・四万温泉にある「積善館(せきぜんかん)」は、まさにその夢を叶えてくれる場所。どんな素敵な体験が待っているのか、気になっていませんか? 群馬[…]
昭和の娯楽がそのまま残る。スマートボール場「柳屋」
積善館から温泉街を少し歩くと、レトロな看板が目に飛び込んできます。それが、スマートボール場「柳屋」。
スマートボールとは、パチンコとピンボールを合わせたような昭和の遊び。盤面に向かって玉を弾き、穴に入れて得点を競うシンプルなゲームです。
今となってはほとんど見かけなくなった遊びですが、四万温泉ではそれが現役で楽しめるんです。
私のような世代には「懐かしい!」の一言。若い方には「こんな遊びがあったの?」と新鮮な体験になるはず。熟年夫婦で訪れたら、きっと昔話に花が咲くと思います。温泉街の散策途中にふらっと立ち寄れるのも魅力で、旅のアクセントとして最高です。
温泉通が注目する「塩化物・硫酸塩泉」の効能
四万温泉の泉質は、塩化物・硫酸塩泉。この組み合わせが、温泉通の間でも高く評価されています。
塩化物泉の特徴は、肌の表面に薄い膜を作って保湿効果を長持ちさせること。「美肌の仕上げの湯」とも呼ばれ、入浴後しばらくしてもしっとり感が続くのが実感できます。硫酸塩泉は血行を促進し、筋肉の疲れを和らげる効果が期待できます。
さらに四万温泉の大きな特徴が、飲泉ができること。温泉を飲む文化は全国的にも珍しく、四万温泉には「塩之湯飲泉所」があります。
胃腸の働きを活性化させる効果があるとされており、散策の途中でひと口含むのがツウの楽しみ方。
飲泉所で一口いただいた後、温泉街の名物「焼きまんじゅう」を食べるのが私のお気に入りのルーティン。甘辛い味噌だれが香ばしく焼けた香りが、温泉街の空気と相まって格別なんです。
四万ブルーを眺めながら。川音の宿で過ごす至福の時間
四万温泉のもうひとつの主役が、四万川の「四万ブルー」。
四万川は、透明度が非常に高く、光の当たり具合によって深い青色に輝きます。この神秘的な青さを「四万ブルー」と呼ぶんですが、実際に見るとその美しさに言葉を失います。川沿いの宿に泊まると、部屋から、あるいは露天風呂からこの景色を楽しめます。
四万温泉の宿を選ぶなら、川音が聞こえる立地にこだわることをおすすめします。窓を開けると聞こえてくるせせらぎの音は、それだけで心がほぐれる最高のBGM。客室露天風呂があれば、好きな時間に四万ブルーを眺めながら、誰にも邪魔されない贅沢な時間を過ごせます。
スマートフォンをしばらく置いて、川の音に耳を傾ける。それだけで、日常の疲れが少しずつ溶けていく感じがします。まさに、デジタルデトックスとリトリートの旅にぴったりな場所です。
四万温泉のおすすめ宿一覧
四万川のせせらぎとともに過ごせる、おすすめの宿をご紹介します。
| 宿名 | 住所 | 予約 |
|---|---|---|
| 四万温泉 シマブルー | 群馬県吾妻郡中之条町四万4355-9 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 叶 KANOUYA 四万温泉 | 群馬県吾妻郡中之条町四万4139-12 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 柏屋旅館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万3829 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 温泉三昧の宿 四万たむら | 群馬県吾妻郡中之条町四万4180 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 時わすれの宿 佳元(よしもと) | 群馬県吾妻郡中之条町四万4344-2 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 積善館 佳松亭・山荘 | 群馬県吾妻郡中之条町四万甲4236 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 春木亭 なかざわ旅館 | 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4238-41 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 鹿覗きの湯つるや | 群馬県吾妻郡中之条町四万4372-1 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 寿屋旅館<群馬県> | 群馬県吾妻郡中之条町四万4367-6 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 貸切風呂の宿 鍾寿館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万乙4374 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 中生館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万4367-6 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 一花館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万4237-50 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 湯元四萬舘 | 群馬県吾妻郡中之条町四万3838 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 あやめや旅館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万4238-45 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 四万温泉 地酒の宿 中村屋 | 群馬県吾妻郡中之条町四万4237-33 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 渓谷に佇む源泉湯宿 四万やまぐち館 | 群馬県吾妻郡中之条町四万3876-1 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
積善館の宿泊記はこちらです >> 積善館・宿泊記
ひとり旅・熟年夫婦におすすめ。四万温泉モデルコース
せっかくなので、私がおすすめする四万温泉の過ごし方を簡単にまとめてみました。
| 時間帯 | おすすめの過ごし方 |
|---|---|
| 午前中 | 積善館の赤い橋を見学。温泉街を散策スタート。 |
| 昼前 | 塩之湯飲泉所に立ち寄り、飲泉を体験。胃腸を整えてから昼食へ。 |
| 昼食後 | 名物の焼きまんじゅうを食べ歩き。地元カフェでコーヒーをのんびり。 |
| 午後 | スマートボール場「柳屋」で昭和の娯楽を体験。四万川沿いをぶらり散歩。 |
| 夕方〜夜 | 宿にチェックイン。客室露天風呂で四万ブルーを眺めながら、ゆっくり入浴。 |
このコース、ポイントは「急がないこと」。目的地から目的地へと移動するのではなく、ふらっと立ち止まって川を眺めたり、路地に入ってみたり。そういう余白が、四万温泉の旅を豊かにしてくれます。
まとめ。四万温泉は「心を空っぽにしに行く場所」
四万温泉の魅力を一言で表すなら、「心を空っぽにしに行く場所」だと思います。
積善館の赤い橋、スマートボール場の懐かしい音、飲泉所でひと口含む塩味の湯、川音とともに眺める四万ブルー。特別なことは何もないのに、帰るころには確実に何かが満たされている。そんな不思議な温泉地です。
日常の忙しさに疲れたとき、スマートフォンを手放してゆっくりしたいとき、ぜひ四万温泉へ。昭和のレトロな温泉街が、あなたをやさしく迎えてくれるはずです。
今回ご紹介した宿は、どこも四万川のそばに位置する趣のある旅館ばかり。ぜひ、宿泊プランをチェックしてみてください。
