温泉って、入るたびに同じ色をしているとは限らないんです。実は、温泉の色は地殻変動や源泉の状態によって変化することがある、ということを皆さんはご存じでしょうか?
私がこのことを強烈に実感したのは、箱根・強羅温泉を訪れたときのこと。
いつもは乳白色のはずの温泉が、なんと茶褐色になっていたんです。「あれ?これ、本当に同じ温泉?」と思わず二度見してしまいました。
今回は、この「温泉の色が変わる」不思議な現象について、私が体験したことをもとにお話しします。そして、群馬県の万座温泉もこの話と深〜く関係しているんですよ。
あの日、強羅温泉の湯が茶褐色に変わっていた
箱根・強羅温泉には複数の源泉がありますが、その一部は大涌谷から引湯しています。大涌谷といえば、2015年と2019年に火山活動が活発化して警戒レベルが引き上げられ、立ち入りが制限されたことがありましたよね。
どちらの年だったか正確には覚えていないのですが、その警戒レベルが上がっていた時期に強羅温泉の宿を訪れたんです。
浴室に入った瞬間、目に飛び込んできたのはいつもの乳白色ではなく、明らかに茶褐色がかった温泉。
「おかしいな…」と思って宿のご主人に聞いてみたら、「鉄分が増えたので茶褐色になりました」とのお答えでした。
でも、私はその説明をすぐに「うーん、そうかな?」と思ってしまったんです。温泉好きのサガというか、なんとなく引っかかるものがあって。
帰ってから調べてみたら、やっぱり別の理由があることがわかりました。これが、温泉の色と成分の関係を深く考えるきっかけになったんです。
大涌谷の温泉成分と「色の化学」
大涌谷の泉質は「酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉」です。硫黄泉ではないのですが、硫化水素が硫黄泉の規定値の半分以上含まれているという、なかなか個性的な温泉なんです。
また、鉄も含鉄泉の規定値の半分以上含まれています。
通常の状態では、こんな化学反応が起きています。
- 鉄分は硫化水素と結びついて「硫化鉄」になり、黒い沈殿物として沈む
- 硫化水素が酸化することで、温泉は乳白色に見える
つまり、普段の乳白色は硫化水素の酸化によるものだったんですね。
ところが、警戒レベルが上がって大涌谷の源泉管理ができなくなると、硫化水素の量が減ってしまいます。
硫化水素が減ると何が起きるかというと——鉄分が硫化鉄にならず、今度は「酸化鉄」になってしまうんです。この酸化鉄こそが、あの茶褐色の正体でした!
黒たまごが黒い理由も同じ仕組みだった!
ちなみに、大涌谷の名物といえば「黒たまご」ですよね。あの黒い殻の秘密も、実は同じ化学反応によるものなんです。
温泉の成分が卵の殻に付着して、硫化鉄として定着することで、殻が黒くなるというわけ。温泉成分が卵の旨味も引き出してくれるので、あの独特のコクが生まれるんだとか。
温泉の色の変化と黒たまごが同じ仕組みで説明できると知ったとき、「温泉ってつながっているんだなあ」と妙に感動してしまいました。
群馬・万座温泉も「色が変わる温泉」の仲間
さて、ここからが群馬の話です。実は、万座温泉も温泉の色が変化することで知られている温泉地なんです。
万座温泉は、群馬県が誇る日本有数の高濃度硫黄泉。あの強烈な硫黄の香りと、乳白色〜青みがかった白色の湯は、一度入ったら忘れられません。
私も何度か訪れていますが、訪れるたびに湯の色や濁り具合が微妙に違うんですよね。
万座温泉の湯も、硫化水素の量や気温、季節によって色が変化します。
硫黄成分が豊富なため、湯の中では先ほどと同じような化学反応が常に起きているわけです。だから、「今日の万座の湯はどんな色かな」と訪れるたびにワクワクするんです。
万座温泉のおすすめ宿
せっかくなので、万座温泉で温泉の「生きた色」を体感できる宿をご紹介します。
どの宿も源泉かけ流しや豊富な湯量が自慢で、万座の濃厚な硫黄泉をたっぷり楽しめますよ。
| 宿名 | 住所 | 予約 |
|---|---|---|
| 万座温泉 万座亭 | 群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉内 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 万座温泉 万座高原ホテル | 群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 万座温泉 万座ホテルジュラク | 群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 万座温泉 日進舘 | 群馬県吾妻郡嬬恋村大字干俣万座温泉2401 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 万座温泉 万座プリンスホテル | 群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
| 万座温泉 湯の花旅館 | 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401 | 楽天トラベルで宿泊プランを見る |
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温泉の色は「今日だけの表情」
温泉の色が変わるという話、いかがでしたか?最初は「えっ、なんで?」と驚くかもしれませんが、その裏には地球の活動と化学反応という、壮大なドラマが隠れているんですよね。
長年温泉をめぐってきた私でも、まだまだ知らないことはたくさんあります。でも、「なぜこの色なんだろう?」「今日と昨日で違うのはなぜ?」と考えながら入る温泉は、何倍も楽しくなります。
温泉の色は、その日だけの自然が作り出した表情。そう思うと、同じ温泉地に何度通っても飽きないわけです。
万座温泉の乳白色の湯に浸かりながら、「今日の色はどうかな」とぼんやり考える——そんなひとときが、私にとっての最高の贅沢です。
ぜひ皆さんも、次の温泉旅では湯の色にも注目してみてくださいね。