
万座ホテルジュラクの温泉は「法性の湯(ほうしょうのゆ)」という源泉から引いています。
万座温泉には多くの源泉があり、1日に540万リットルもの温泉が湧き出しています。そしてその泉質は27種類にも及びます。
現在万座温泉のホテルや旅館などで使用されているのは13の源泉です。これらの源泉は全て酸性泉です。
この源泉法性の湯は、万座ホテルジュラクの占有源泉なので、万座温泉の他の宿泊施設などの温泉とは一味違います。


温泉にはいくつかのタイプがあり、硫化水素を豊富に含む硫化水素泉も温泉の一つです。
さらに硫化水素泉は、遊離硫化水素を含む硫化水素型と、硫化水素イオンを含む硫黄型に分けられます。
温泉法では「地中から湧出する温泉、鉱水及び水蒸気、その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度または物質を有するもの」が温泉とされています。
その温泉法の別表によると、硫化水素型なら湧水1キログラムあたり、1ミリグラム以上の遊離硫化水素を含むものが温泉(硫黄泉)になります。
法性の湯の遊離硫化水素は286mg/kgもあるので、硫黄泉となる基準の200倍以上も濃い硫黄泉なのですね。この遊離硫化水素量は、日本の温泉で一番の量です。この為「法性の湯」は日本で一番硫黄成分含有量が多い温泉といわれているのですね。
更に療養のための温泉として認められるためには、1キログラムあたり2ミリグラム以上の硫黄成分含有量が必要ですが、これと比べても100倍以上もの硫黄成分含有量を有しています。
この記事の目次
源泉「法性の湯」
| 源泉名 | 法性の湯 聚楽占有 |
|---|---|
| 湧出地 | 奥万座 |
| 泉温 | 43.7℃ |
| pH値 | 3.2 |
| 泉質 | 単純硫黄泉(硫化水素型) 低張性弱酸性高温泉(レジオネラ菌検査免除) |
源泉「法性の湯」は、pH値が3.2ということで、万座温泉の他の温泉に比べると酸性度は低いです。
酸性度は低いですが、酸性泉はレジオネラ菌に対して殺菌効果があるため、2007年3月よりレジオネラ属菌水質検査の適用免除となりましたので、法性の湯もレジオネラ菌検査は免除されています。
- 日本一の高濃度硫黄泉100%かけ流し
- 乳白色の高濃度硫黄泉
万座ホテルジュラクで使用されている法性の湯は日本で1番硫黄含有量が多い源泉として知られています。
日本一の高濃度硫黄泉ということですが、pH値が3.2と他の温泉ほど酸性度が強くないので、硫黄が突出しているという感じはありませんでした。
硫黄泉(硫化水素型)の効用
温泉にはいろいろな効用が知られていますが、その中でも硫黄泉は、高血圧や動脈硬化の治療に効果があるといわれています。
硫化水素には、血管平滑筋を弛緩させて、血管を広げる作用があります。
硫化水素は水に溶けやすいので温泉水に高濃度の硫化水素が含まれていたとしても、大気中の硫化水素濃度はそれほど高くはなりません。しかし大気中の硫化水素の濃度が低くても、低濃度の硫化水素を体に取り入れることで、高血圧の治療や予防効果が期待できると考えられています。
「卵が腐った臭い」として嫌われる硫化水素ですが、効用の点では素晴らしいですね。
- 慢性消化器病
- 糖尿病
- 痔疾
- 慢性皮膚病
- 慢性婦人病
- 神経痛
- 関節痛
- 関節のこわばり
- うちみ
- きりきず
- 筋肉痛
- 五十肩
- 冷え症
- 高血圧症
- 動脈硬化
硫黄泉は糖尿病に絶大な効果があるだけでなく、高血圧や動脈硬化の治療にも効果があるといわれています。
硫黄泉に浸かると、遊離硫化水素が肌から体内に吸収され、毛細血管を膨張し血液の循環が良くなります。
血液の循環が良くなることで新陳代謝が活発になり、人体が本来持っている免疫能力が高まりいろいろな病に効能が発揮されます。
肌から吸収された硫化水素ガスは、毛髪や皮下に沈着し、関節の組成分として使われます。
- 呼吸不全
- 皮膚・粘膜の過敏な人
- 腎不全
- 出血性疾患
通常は体に良い効果をもたらす温泉ですが、体の状態によっては温泉がかえってマイナスになることがあります。
万座温泉ホテルジュラクの法性の湯では、上記のような症状がある人は温泉の利用を控えてくださいという事ですが、「皮膚・粘膜の過敏な人」というのが法性の湯の特徴をよく表しているなぁと思いました。
万座ホテルジュラク 法性の湯 温度調節と加水の有無
万座ホテルジュラクの源泉「法性の湯」は、熱交換方式で加温していますが加水はしていませんので、温泉の成分には影響ありません。
万座ホテルジュラクの自家占有源泉「法性の湯」の源泉はホテルから800mほどのところにあります。

まず800m先の源泉から、200mほどパイプを通って抜気槽へ運ばれてきます。

この抜気槽で遊離硫化水素濃度を下げます。遊離硫化水素濃度が下がった温泉は600mほどパイプを通って昇温槽へ運ばれます。

この昇温槽には70℃のお湯を通しているチタン製のパイプが敷設されていて、パイプで運ばれてきた温泉をチタン製のパイプに触れさせる事で温泉の温度を50℃~55℃に加温しています。

加温された温泉が大浴場の浴槽に注ぎ込まれています。
この様に熱交換方式で加温はされていますが加水はされていませんので、温泉の成分には変わりないのですね。
万座ホテルジュラク 法性の湯 入浴上の注意事項

万座ホテルジュラク 法性の湯の入浴上の注意事項が書いてありました。
- 貴金属は外す
貴金属は変色することがあるので、必ず外しましょう! - 床や段差に注意
内湯の床がすべりやすので注意しましょう。露天風呂への入り口などの段差でつまづかないように! - かけ湯をしましょう
これは温泉に入浴するときの一般的な注意事項ですね。
かけ湯には、汚れを落とす以外に体を温泉の温度に慣らすという大切な役目があります。 - 初めは3分~10分
湯アタリしないように最初は短めにですね。 - 飲酒しての入浴は特に注意
飲酒量にもよりますが、飲酒してからの入浴は危険です。深酒の後は入浴禁止です。
次の効果的な入浴方法と重複する内容もありますが、高濃度硫黄泉特有の注意事項もあります。
硫黄泉(硫化水素型)はあらゆる金属を腐食させますので、入浴の際には忘れずに金属の装飾品は外しましょうね。
よく見ると蛇口が黒ずんでいますが、これも硫化水素で腐食したものです。
硫化水素による腐食は凄まじく、万座ホテルジュラクの館内の自動販売機は約1年半、部屋のテレビは約1年で腐食により故障してしまうそうです。
万座ホテルジュラク 法性の湯 効果的な入浴方法

効果的な入浴方法の説明がありました。
- 入浴前後には1杯ずつ水を飲むべし
発汗による血液粘度の高まりを解消し、サラサラ血を保ちましょう。
入浴により体内の水分が少なくなるので、入浴前後にぬるま湯やお茶、スポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。 - 入浴前には、足先など心臓の遠くから順に十分な「かけ湯」をすべし
温泉の泉質や温度を体にならしてから入浴しましょう。
足⇒腰⇒肩⇒胸の順が基本です。 - 半身浴で体をならすべし
最初から全身を浸すのでなく、最初は半身浴で温度や水圧に体を慣らしましょう。 - 体をよく温めてから手で洗うべし
硫黄泉はピーリング効果(皮脂や角質を溶かす作用)で肌をきれいにします。
洗うときは肌に刺激を与えないよう手でやさしく洗いましょう。 - はじめての入浴は3分ないし10分ぐらいにすべし
万座温泉は刺激が強いので、最初の入浴は3~10分くらいにして、温泉の泉質を体に慣らすことにとどめましょう。急激な血流量増加による貧血防止にもなります。 - 2度目の入浴では手足の筋肉や関節を動かすべし
2度目の入浴では関節や筋肉が和らいでいるので、浴中で手足の関節や筋肉を動かしたり、腰を捻ったりしましょう。 - あがり湯は付着した温泉成分を洗い流さないようにすべし
折角の薬効成分を洗い流すのは勿体ないです。体を拭くのも水滴を拭う程度にしましょう。
*肌の弱い方は刺激を感じる場合があるのであがり湯で洗い流しましょう。 - 入浴後は保湿と休養を行うべし
ピーリング効果により肌の乾燥が促されるため保湿を心がけましょう。
また入浴でエネルギーが消費されますので、入浴後は30分以上休憩しましょう。
法性の湯の効果的な入浴方法ということですが、これはどこの温泉につかるときでも同じですね。
入浴前後に水を飲むことは重要です。これは尻焼温泉の白根の見える丘でも詳しく説明されていたことです。
なぜ水分補給が重要かというと、お風呂に入っている間も汗をかいています。300から500ミリリットル程も汗をかいているのです。
汗をかくと血液の粘度が高まります。そうすると所謂「ドロドロ血」になるのです。「ドロドロ血」のまま入浴すると、血圧の急上昇により血管が詰まったり破れたりしやすくなって、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすのです。
温泉につかってゆったり、のんびり、心身リフレッシュしようと思ったのに、脳卒中や心筋梗塞になっては元も子もありません。
これを避けるために入浴前後の水分補給が大切なのです。
水を飲んでから15分ほどでサラサラ血になりますので、入浴前の水分補給は「入浴の15分前」が望ましいです。でもがぶ飲みは血液中の水分が急に増えて血圧が上がることもあるので、コップ1杯程度の水が適量です。
又ここには書かれていませんが、空腹状態で入浴すると血管の拡張によって貧血をおこすことがあるので、入浴前には部屋に置かれている甘いお菓子などを食べて、血糖値を上げてから入浴するのがおすすめです。
万座ホテルジュラク 法性の湯 楽しみ方と入浴マナー



温泉の楽しみ方と入浴マナーの説明もありました。これは主に子供と外国人向けの説明ですが、大人の日本人にも守ってほしいです。
まずは、温泉の楽しみ方の説明です。
- 入浴前にまずシャワーを使い体を洗いましょう
- 数回かけ湯を行い温度を確認
草津温泉の入浴法では、30回かけ湯すると教わりました。 - 静かに入浴。まずは半身浴で楽しみ、慣れてから全身浴へ
- 入浴後は再び軽くかけ湯
完全に洗い流さない方が温泉特有の温泉成分の効果を期待できます。
肌が敏感の方は洗い流してください。 - 入浴後は十分に水分補給
次は温泉のマナーの説明です。
- タオルは浴槽に入れないようお願いします。
外国人などこのマナーを知らない人がいるので。 - 浴室から出るときは良く拭いてから。
時々日本人でもこういう方いますね。 - 下着を脱いで入浴してください。
これは流石に日本人にはいないですね。外国人向けの注意書きです。 - 大声での会話はお控えください。
時々大声で話をしているグループがいますが迷惑ですね。特に昨今のコロナ禍においてはご法度ですね。 - 温泉の中で泳いだり、飛び込んだりしないようお願いします。
これは子供向けですね。私も子供の頃大きな温泉の浴槽で泳いだことがあります。(-_-) - 危険ですので走らないようお願いします。
- 食後、飲食後すぐの入浴は控えましょう。
- 携帯電話やカメラでの写真撮影はご遠慮ください。
この記事の温泉の写真は、写真撮影が許可されている9:40~9:50に撮影したものです。
温泉の効果

温泉効果の説明書きがありましたので、紹介します。
温泉の薬理効果(泉質による効果)

温泉の効果効能としてはこの温泉の薬理効果がまず浮かびますね。
「塩化物泉」「硫黄泉」など温泉の成分に応じて泉質名がついていて、その泉質ごとに「適応症」としてその泉質の効能が認められています。
この効能は、入浴することによって泉質の成分が皮膚から吸収されて発揮されます。
温泉の温熱効果(血行促進による活発な新陳代謝)

温泉の温熱効果というのは、温泉に浸かることによって体が温まり血行が促進され、新陳代謝が高まって体の中の老廃物が体外に排泄されやすくなる効果です。
温泉でなくてもお風呂に入っても同じでは?と思うかもしれませんが、温泉の温熱効果は温泉から上がっても長く続くことが特徴です。
つまり温泉に浸かると血行が良くなる時間が長く持続されるので、一般のお風呂では得られない効果が期待できるのです。
温泉の浮力効果(重力からの解放によるリラックス効果)
温泉に限らずお風呂に入ると、水の浮力により体が軽く感じます。
体が軽く感じるということは、四六時中襲いかかる重力から解放され、リラックス状態になります。
更に重力がかからないと筋肉が緩み、心も体もリラックスした状態になります。
そうすると脳波が心身ともに安らいだ状態の時に引き出されるα波になります。アルファ波にはリラックス効果だけでなく、ストレスを沈めたり脳を活性化したりして免疫力を高める力もあります。
温泉の水圧効果(圧力によるマッサージ効果)

温泉に浸かると、重力はかかりませんが体表面にかかる静水圧により、全身に圧力がかかります。
全身に圧力がかかるとマッサージの様に内臓が刺激され、内蔵運動につながります。
脚の血液量は全血液量の約3分の1もあり、この血液が心臓に送り返されています。この為、脚は第二の心臓とも言われます。
日常生活では重力がかかっているので、脚からの血液は心臓まで上がりにくいですが、入浴すると、水圧で血管が細くなり血液が心臓に向かって勢いよく押し上げられます。これがいわゆるポンプアップ効果です。
このポンプアップ効果により、下肢の静脈の流れが良くなり、血液やリンパ液の循環も活発になります。
温泉の転地効果(自律神経の活発化によるストレス解消効果)

転地効果というのは、日常生活から離れたところでストレスや精神疲労無く過ごすことによる効果です。
必ずしも温泉でなくても転地効果は得られますが、温泉では血行も促進されるので、転地効果には温泉地が適しています。
温泉地は環境も静かなところが多いので、五感に刺激を受け、脳内のホルモンを調節する内分泌系や呼吸、消化といった生命維持活動を司る自律神経の中枢のスイッチが入り、ストレスを解消し、精神疲労や病気に効果を発揮するのです。
なお、転地効果は4~5日から10日で最も活発になり、3週間を起こすと新しい環境に体が慣れて、効果が消えていきます。
温泉の未知なる効果

温泉にはまだまだ未知なるパワーが秘められています。
温泉は地無限のパワーを持つマグマのエネルギーを内包しています。それも数十年から数千万年の時を経て、地表に現れてきます。
この温泉がどれほどのパワーを持っているのか?まだまだ未知な事がたくさんあります。
温泉の未知なるパワーを信じて温泉を利用すれば、健康増進につながるではないでしょうか。
温泉の豆知識


