こんにちは!「湯けむり散歩人」です。つる舞う形の群馬県から、今日も心休まる温泉情報をお届けします。
皆さんは、温泉に入っているときにお湯の中に白いヒラヒラしたものや、黒っぽい粒のようなものが漂っているのを見たことはありませんか?
実はあれを「ゴミが入っている!」と勘違いしてしまう方が意外と多いのです。
しかし、温泉通にとってあれは宝物以外の何物でもありません。
今回は、温泉の良さを測る上でとても大切な「湯花(ゆばな)」と、温泉が持つ驚きの「還元力」について詳しくお話しします!
この記事の目次
温泉の湯花とは?その正体と「還元力」の秘密
温泉に浮かぶ湯花の正体は、温泉に溶け込んでいたカルシウム、硫黄、鉄、珪酸などの成分が、地上に湧き出て温度や圧力が下がることによって固形化した結晶です。
つまり、温泉成分がそのまま形になったもの。湯花が舞っている温泉は、成分が濃厚で、かつ人の手が加えられていない新鮮な温泉であるという何よりの証明なのです。
そして、この湯花には温泉の最大の特徴とも言える「還元力」の源が凝縮されています。
還元力とは、簡単に言えば「体の錆(サビ)を落とす効果」のこと。
私たちの体は、ストレスや紫外線、日々の生活の中で少しずつ酸化(=老化や疲労)していきます。酸化した体を元に戻し、細胞を元気にしてくれる働きが「還元」です。
温泉に含まれる湯花や新鮮な成分には、この強力な還元作用があり、浸かるだけで体が芯からリフレッシュされるのです。
源泉からの距離と鮮度の関係:配管がもたらす魔法
一般的に、温泉は湧き出たばかりの「源泉口」に近いほど還元力が高く、新鮮であるとされています。
しかし、面白いことに、源泉から少し離れた浴槽でも高い還元力が維持、あるいは向上しているケースがあるのです。
その秘密は、温泉を運ぶ「配管」や「湯升(ゆます)」にあります。長年温泉を通し続けた配管の内側には、湯花がびっしりと付着してコーティングされています。
この湯花の層を通ることで、温泉水が空気(酸素)に触れて酸化するのを防ぎ、まるで「還元力のシェルター」を通ってきたかのように新鮮な状態をキープして浴槽へと注がれるのです。
新潟県の赤倉温泉などでは、この現象による還元力の維持・向上が実際に測定されています。自然のろ過と熟成のシステムは本当に不思議で、素晴らしいものですね。
濾過(ろか)がもたらす悲劇!「温泉失格」にならないために
しかし、現代の温泉施設の多くでは、お湯の見栄えを良くするため、あるいは配管の詰まりを防ぐために、強力な「濾過フィルター」を通してお湯を循環させてしまうことがあります。
これが温泉通にとって非常に残念な「温泉成分の喪失」を招くのです。
飯塚玲児氏の名著『温泉失格』でも、加水・加温・循環濾過による「本物の温泉」の劣化について深く切り込まれています。
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温泉を濾過してしまうと、湯花はもちろんのこと、温泉の重要な薬効成分まで一緒に取り除かれてしまいます。
例えば、鉄分を豊富に含み、非常に高い還元力を持つ「単純鉄温泉」があるとします。
この温泉をきれいに見せようと強力に濾過してしまうと、鉄分などの主成分がごっそり失われ、実質的にはただの「単純温泉」に近い状態になってしまうのです。
これでは温泉本来の効果はほとんど期待できません。
だからこそ、湯花を目の敵にせず、そのままの姿でお湯を注ぎ続ける温泉宿や施設がどれほど貴重であるか、お分かりいただけるかと思います。
本物の還元力を体感!山形県「蔵王温泉」のすすめ
では、そんな湯花がたっぷり舞い、圧倒的な還元力を体感できる温泉はどこにあるのでしょうか?私が強くおすすめしたいのが、山形県の名湯「蔵王温泉」です。
蔵王温泉は、日本でも有数の強酸性硫黄泉。お湯に浸かるとピリピリとした刺激があり、湯船には白や黄色の湯花が贅沢に舞っています。
その還元力は驚異的で、古くから皮膚病の特効薬とされてきたほか、昨今の研究では多くのウイルスを無力化させる力もあることが分かっています。
まさに自然が生んだ究極の天然薬湯です。
ここで、蔵王温泉を満喫できる素晴らしい温泉スポットをご紹介します。お出かけの際の参考にしてみてくださいね。
| 施設名 | 特徴・おすすめポイント | リンク・詳細 |
|---|---|---|
| 最上高湯 善七乃湯 (旧:蔵王温泉 大平ホテル) |
貸切風呂が非常に充実しており、周囲を気にせず新鮮で還元力の高い自家源泉を独占できます。ペットと一緒に泊まれる宿としても人気。 | 宿泊プランを見る |
| 源七露天の湯 | 大自然に囲まれた開放的な露天風呂が魅力の日帰り入浴施設。湯口から注がれる新鮮なお湯と、湯花の舞う様子を全身で楽しめます。 | 日帰り専用施設 |
| 蔵王温泉大露天風呂 | 一度に100人以上が入れるという圧倒的スケールの大露天風呂。渓流のせせらぎを聞きながら、硫黄香る抜群の温泉力を満喫。 | 日帰り専用施設(冬季閉鎖あり) |
| 共同浴場 (上湯・下湯・川原湯) |
蔵王温泉の温泉街に佇む3つの共同浴場。いずれも格安(または寸志)で入れ、源泉かけ流しの究極の鮮度を誇るお湯を体験できます。 | 共同浴場(日帰り) |
| すのこ湯かわらや | 浴槽の底(すのこ)から自噴する温泉をそのまま自噴かけ流しで楽しめる贅沢な浴場。空気による酸化が一切ない究極の還元力を体感できます。 | 日帰り入浴施設 |
特に「最上高湯 善七乃湯」は、お湯の良さはもちろんのこと、プライベートな空間で新鮮な源泉を何度も堪能できるため、ゆっくりと体の「サビ」を落としたい旅行者に最適なお宿です。湯上がりの肌のしっとり感にきっと感動するはずですよ。
まとめ:湯花を愛でて、ワンランク上の温泉ライフを
温泉に浮かぶ湯花は、お湯が生きているという何よりの証拠。そして体のサビを取り除いてくれる「還元力」の象徴でもあります。
見栄えを重視して濾過されたお湯ではなく、自然のままの湯花が豊かに舞う本物の温泉に身を委ねる贅沢を、ぜひ皆さんも味わってみてください。
次の週末は、湯花がたっぷり舞う蔵王温泉や、素晴らしい源泉を持つ温泉宿へ、極上の錆落とし旅に出かけてみませんか?