皆さんは、温泉に入るとき「よし、今日も命がけで入るぞ!」なんて思いませんよね?むしろ、リラックスしに行く場所。でも、ちょっと待ってください。実は、日本の浴室で亡くなる方の数は、年間で約1万9,000人にも上ると言われています。
これはなんと、交通事故死亡者数の約7倍以上という衝撃的な数字なんです。
この記事の目次
浴室に潜むリスクと「魔の時間」を知る
温泉王国・群馬に住んで30年以上。草津の力強い酸性泉や、伊香保の優しさに満ちた黄金の湯。私も数え切れないほどの湯船に浸かってきましたが、特に冬場の冷え込む時期や、高齢者の方、そして熱いお湯が好きな方は注意が必要です。
特に怖いのが、朝の入浴です。私たちは寝ている間にコップ一杯以上の汗をかきます。朝起きた時の体はカラカラの状態。血液がドロドロになりやすいため、そのまま熱いお湯に飛び込むと、血管に大きな負担がかかってしまうんです。
ポイント1:入浴前後の水分補給は「コップ一杯」の習慣を
「お風呂上がりの牛乳やビールが楽しみ!」という方も多いでしょう。もちろん私も大好きです(笑)。でも、もっと大切なのは「入浴前」の水分補給なんです。
入浴によって体温が上がると、さらに汗をかきます。脱水状態での入浴は、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めてしまいます。脱衣所にウォーターサーバーがある宿も多いですよね。
あれは単なるサービスではなく、命を守るための大切な設備なんです。「まだ喉が渇いていないな」と思っても、入浴前に必ずお水かお茶を一杯飲むようにしましょう。
ポイント2:温度差をなくす「ヒートショック」対策
冬の温泉宿、廊下は寒いけれど大浴場はポカポカ。この急激な温度変化が心臓に負担をかけます。これが有名な「ヒートショック」ですね。
家庭でもそうですが、脱衣所や浴室はあらかじめ暖めておくのが鉄則です。
温泉宿なら、まずはシャワーで浴室の壁を流したり、湯船の蓋が開いていればその蒸気で浴室全体を暖めたりする工夫が有効。
お湯の温度設定も、夏なら38度、冬なら40度くらいが理想的。42度を超えるような「あつ湯」は、短時間でも体に大きな負荷がかかることを忘れないでくださいね。
ポイント3:マナーだけじゃない「かけ湯」の本当の意味
かけ湯は、体の汚れを落とすだけのマナーではありません。実は「今からお湯に入りますよ」と心臓に合図を送る重要なステップなんです。
ポイントは、心臓から遠い部位から順にかけること。足先、指先、そして膝、腰、肩……という具合に、少しずつお湯の温度に体を慣らしていきます。少なくとも10回以上は丁寧にかけ湯をしてから湯船に入りましょう。
このことは、実は私は「草津温泉の時間湯」で、実感として学びました。
これだけで、急激な血圧の上昇を抑えることができるんですよ。
ポイント4:急激な変化を避ける「スロー入浴」
湯船に入るときも、上がるときも「ゆっくり」が基本です。お湯に入るときは、まず「半身浴」で数分過ごしてから、ゆっくりと肩まで浸かるようにしましょう。
特に注意が必要なのが、上がるとき。勢いよく立ち上がると、水圧から解放された血管が一気に広がり、脳へ行く血液が一時的に不足してしまいます。
いわゆる「脳貧血」の状態です。露天風呂などで立ちくらみを起こすと、そのまま転倒して頭を打つ危険もあります。
「ゆっくり入り、ゆっくり上がる」。この動作だけで、安全性がぐんと高まります。
ポイント5:入浴時間の目安は「額の汗」
「せっかく温泉に来たんだから、長く入らないともったいない!」なんて思っていませんか?
実は、長湯は禁物。
入浴時間の目安は、額が軽く汗ばむ程度で十分です。
それ以上になると体温が上がりすぎ、心臓への負担が増してしまいます。休憩を挟みながら、無理のない範囲で楽しむのが温泉ツウの入り方です。
まとめ
最近では「純温泉」という言葉も注目されています。これは、源泉かけ流しにこだわり、塩素消毒などを行っていない「オーガニックな温泉」の指標。本来の温泉の力を最大限に享受したい方は、ぜひチェックしてみてください。
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温泉は、私たちに最高の癒しを与えてくれる日本の宝物。ちょっとした心がけで、その旅はもっともっと豊かなものになります。
皆さんも、ぜひ「安全な入浴法」を身につけて、心に残るひとときをお過ごしください。
