こんにちは、湯けむり散歩人です。
温泉地の脱衣所に掲示されている「温泉分析書」をじっくり眺めるのが私の密かな楽しみなんです。でも、あそこに書かれている名前って、時々すごく難しく感じませんか?
「ナトリウムー塩化物泉」と言われればなんとなく分かりますが、昔ながらの「食塩泉」なんて言葉を聞くと、なんだかホッとするような、不思議な感覚になります。
今回は、知っているようで意外と知らない「旧泉質名」と、その魅力がたっぷり詰まった別府温泉郷についてお話ししようと思います。
温泉の「今」と「昔」をつなぐ泉質名のルール
温泉の正式な名前は、実は化学の授業のようなルールで決まっています。
「陽イオン」と「陰イオン」の含有量によって、「酸性・含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉」といった具合に、とっても長い名前になるのが普通なんです。
でも、これだと一般の人がパッと見てどんなお湯か分かりにくいですよね。そこで、現在はこれらを分かりやすく分類した「掲示用泉質名」として、以下の10種類が定義されています。
現在の掲示用泉質名(10種)
- 単純温泉:刺激が少なく、誰にでも優しい「家族の湯」
- 塩化物泉:塩の成分で体がポカポカ温まる「熱の湯」
- 炭酸水素塩泉:肌の汚れを落としてツルツルにする「美肌の湯」
- 硫酸塩泉:傷を癒やし、肌に潤いを与える「傷の湯」
- 二酸化炭素泉:泡の力で血行を促進する「心臓の湯」
- 含鉄泉:鉄分を含み、貧血などに良いとされる「婦人の湯」
- 硫黄泉:独特の香りと殺菌力を持つ「温泉らしい湯」
- 酸性泉:強力な殺菌力で皮膚病に良い「治癒の湯」
- 放射能泉:微量の放射線が免疫を高める「万病の湯」
- 含よう素泉:近年追加された、強い酸化力を持つ泉質
これら10種類が今の基準ですが、古い温泉地やベテランの温泉ファンは、今でも「旧泉質名」を愛用しています。なぜなら、その方が直感的に「どんな成分が入っているか」が伝わりやすいからです。
旧泉質名と現在の名称の対応表
それでは、具体的に昔の名前が今のどの名前にあたるのか、表にまとめてみました。これを知っておくと、古い看板を見た時に「ああ、こういうお湯なんだな」とすぐに分かって、温泉通への第一歩になりますよ。
| 旧泉質名 | 現在の掲示用泉質名 | 特徴・イメージ |
|---|---|---|
| 食塩泉 | ナトリウムー塩化物泉 | その名の通り塩分。保湿効果が高い。 |
| 重曹泉 | ナトリウムー炭酸水素塩泉 | 重曹の成分。肌がツルツルになる。 |
| 石膏泉 | カルシウムー硫酸塩泉 | 石膏の成分。切り傷や皮膚病に。 |
| 芒硝泉(ぼうしょうせん) | ナトリウムー硫酸塩泉 | 血行を良くし、動脈硬化の予防にも。 |
| 正苦味泉(せいくみせん) | マグネシウムー硫酸塩泉 | 苦味成分。高血圧などにも。 |
| 明礬泉(みょうばんせん) | アルミニウムー硫酸塩泉 | 酸性が強く、引き締め効果がある。 |
| 重炭酸土類泉 | カルシウム(・マグネシウム)-炭酸水素塩泉 | 炎症を抑える鎮静作用がある。 |
| 炭酸鉄泉 | 鉄ー炭酸水素塩泉 | 鉄分を多く含み、貧血に良い。 |
| 単純炭酸泉 | 単純二酸化炭素泉 | シュワシュワの泡が心地よい。 |
| 硫化水素泉 | 硫黄泉(硫化水素型) | いわゆる「卵の腐ったような臭い」の温泉。 |
泉質のデパート!大分県「別府温泉郷」の凄さ
さて、こうした多様な泉質を一度に楽しめる、日本で……いや、世界でも稀有な場所をご存知でしょうか?
それが大分県の「別府温泉郷」です。別府は源泉数、湧出量ともに日本一を誇る、まさに温泉の聖地。
ここで驚くべきなのは、先ほど紹介した10種類の掲示用泉質のうち、なんと7種類もの泉質が揃っているという点です。
別府温泉、浜脇温泉、観海寺温泉、堀田温泉、明礬温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、亀川温泉の8つのエリアを総称して「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼びますが、それぞれに個性的なお湯が湧いています。
例えば、明礬温泉に行けば強烈な「明礬泉(アルミニウムー硫酸塩泉)」が楽しめますし、鉄輪温泉では「食塩泉(ナトリウムー塩化物泉)」の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」が有名です。
また、別府には地元の方が毎日通う「共同浴場」が町中に溢れています。100円や200円といった格安料金で、歴史ある趣深いお風呂に入れるのは別府ならではの贅沢。
さらに「別府八湯温泉道」というスタンプラリーもあり、88か所の温泉を巡ると「温泉名人」の称号がもらえるんです。温泉通を自負するなら、一度は挑戦してみたいですよね。
全国のおすすめ温泉宿リスト
泉質にこだわりのある、全国の素敵な宿をピックアップしました。旧泉質名で言うところの「正苦味泉」のような珍しい成分や、極上の源泉かけ流しが楽しめるお宿ばかりです。
ぜひ次の旅の参考にしてくださいね。
| 施設名 | 住所・特徴 | 予約リンク |
|---|---|---|
| 吸う温泉 湯治の宿 竜王ラドン温泉ホテル 湯ーとぴあ |
山梨県甲斐市富竹新田1300-1 「吸う温泉」として有名なラドン温泉。体の芯から温まります。 |
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| 全室源泉かけ流し温泉付き旅館&グランピング 美肌の湯 こしかの温泉 |
鹿児島県霧島市隼人町松永2625 美肌の湯を独り占めできる贅沢な空間。グランピングも人気です。 |
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| 天然温泉掛け流しの宿 ホテルポニー温泉 |
青森県十和田市三本木佐井幅167-1 トロトロの肌触りが自慢の天然温泉。青森の自然に癒されます。 |
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まとめ:泉質の名前は温泉からのメッセージ
温泉の「旧泉質名」と「現在の名称」、そして泉質の宝庫・別府温泉についてご紹介しましたがいかがでしたか?
一見難しそうな化学的な名前も、かつての「食塩泉」や「重曹泉」といった呼び名と照らし合わせることで、ぐっと身近に感じられるようになります。
温泉分析書は、いわば温泉からの「私はこういう性格ですよ」というメッセージ。それを読み解くことで、入浴した時の感動もより深いものになります。
ぜひ次回の温泉旅行では、脱衣所の掲示板をじっくり眺めてみてくださいね。
きっと新しい発見があるはずです。それでは、また次回の湯めぐりでお会いしましょう!